セルロース系バイオマス資源の活用に注目が集まり、近年需要が高くなっている分析項目です。
※繁忙期(概ね10月~翌4月)の納期(結果の速報)は
10営業日以上になる場合があります。
通常の飼料分析で行う粗繊維分析では、分析操作中にヘミセルロースやリグニンの一部が溶出されます。
そこでデタージェント繊維分析では、粗繊維分析では分画できない繊維成分を以下のように分画することができます。
糖・デンプン | ペクチン | ヘミセルロース | リグニン | セルロース | |
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易溶 | 難溶 | ||||
NFE | 粗繊維 | ||||
中性デタージェント可溶部分 | NDF | ||||
酸性デタージェント可溶部分 | ADF | ||||
酸性デタージェント可溶部分 | ADL | 硫酸処理 |
NDF:セルロース、ヘミセルロース及びリグニンが主体 【総繊維】
ADF:セルロースとリグニンが主体 【低消化性繊維】
ADL:リグニン
デタージェント法により繊維を分画するには、以下の3法を用いてそれぞれ測定します。
①耐熱性α-アミラーゼ処理中性デタージェント繊維:aNDFom
②酸性デタージェント繊維 :ADFom
③酸性デタージェントリグニン :ADL
注)aは耐熱性α-アミラーゼを使用。またomは粗灰分の除外を明確に表記するためのもので、今迄のNDF・ADFと変わりません。
亜硫酸ナトリウムと中性デタージェント溶液を用いて煮沸し、耐熱性α-アミラーゼを加えてデンプンを除去し、 中性デタージェント溶液での不溶解物の量より灰分量を差し引いてaNDFomを算出する。
中性デタージェント溶液による可溶解物質は、家畜の消化器官内バクテリアで消化するものと考えられ、 NDFは家畜が消化できないか又はゆっくりと消化する非可溶性繊維であり、セルロース・ヘミセルロース・リグニンが主成分で総繊維とも呼ばれている。
硫酸と界面活性剤を用いて煮沸し、加水分解を受けたヘミセルロースを取り除く。酸性デタージェント溶液による不溶解物の量より灰分量を差し引いてADFomを算出する。
酸性デタージェント繊維法で求められる有機物では、セルロース・リグニンが主であり、繊維中の消化できないかもしくは消化されにくい分画を測定する方法である。
酸性デタージェント繊維法での処理残渣に72%硫酸処理し、セルロースを分解して除き、得られた残渣を測定したのちに、灰分量を差し引いてADLを算出する。
弊社では行っておりませんが、酵素を用いて不溶性部分を分け(有機細胞壁物質:OCW)、更に消化し難い分画を酵素によって分解して測定(低消化性繊維:Ob)する酵素分解法という方法もあります。OCW-Ob=(Oa:高消化性繊維)。 また欧米で進んだデタージェント分析法は、飼料以外の木材質、紙類、バイオマス資材などの基礎分析にも流用できると考えます。
これらにつきましては、別途ご相談下さい。電話080-9369-5738 分析担当:石井まで